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校友会会員の皆様
ご挨拶
東洋大学京北校友会
会 長 濱 徹夫
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校友の皆様、平素より東洋大学京北校友会へのご理解に対して感謝申し上げます。昨年の三月の会長就任からあっという間に「一年半」が過ぎようとしています。世の中では「コロナ第七波」「一日二十万人感染」という記事を見ても何も驚かなくなっている自分に驚きを感じています。この間、校友会の活性化(常任協議員会の見直し)を計るために多くの卒業生(教え子)に連絡を取りました。電話からは昔の懐かしい声とともに沢山の思い出話を聞くことができました。そこで今回は、私の京北での教員時代を振り返ってみようと思います。
昭和五十一年、京北に採用された私は、数年前に自分が生徒だった頃の京北とは大きく変わった生徒達の姿に驚くことになります。これは京北に限ったことではなく、「いじめ」「学級崩壊」という言葉が示す通り、一部の頂点校を除く学校が経験することになります。新人だった私は、当然のように「生徒指導」として生徒たちと関わるようになります。
いわゆる「ツッパリ」といわれる生徒と話してみると、大半が意外と「素直」で性格の良い子達なのです。「外見」とのギャップに驚いてばかりいました。そのうちに我々教師も有志が集まって「いじめ」や「不登校」などを考えるグループができ、大学のカウンセリングの講習会に参加するようになり、生徒指導に生かされるようになっていきます。
そんな中、昭和五十九年に制服が学生服からブレザーに変更されたことが「転換点」になったように思います。
また創立九十周年記念誌を刊行する際、私は「宇井伯寿」という卒業生を紹介することになりました。そこで調べていきますと、愛知県に生まれた彼は七歳で父親を失ったため、曹洞宗の寺院に預けられ、地元の小中学校から名古屋の曹洞宗系の学校で寄宿生活に入りました。そのころのこの学校の制服は「法衣」でしたので、これを洋服にしようとストライキを行いましたが、これが原因で退校処分になってしまいます。この彼を救ったのが「京北」であり、京北中学四年に編入し、二年後には第一高等学校に合格し東京帝国大学に進学します。大学では「印度哲学」を研究し東北・東京帝国大学の教授、駒澤大学学長、文化勲章も受章しています。また中村元( 哲学者) の恩師としても知られています。
このことを通じて学祖・井上円了先生に興味を持つようになりました。宇井少年は学校(教師)にとっては、学校に楯突く「頭の良い問題児」な訳です。しかし円了先生は、真っ向から彼を受け止めて善導し大成させます。これこそが本当の教育だと考えています。更に円了先生は旧制中学を開校してから十年後に「実業学校」を設立します。従来の「読み・書き・算盤」地理・歴史・物理・経済・倫理など実生活に役立つ知識の習得を目的として開校されました。福沢諭吉も『学問のすゝめ』のなかで、「学問とは『実学』を学ぶこと。教科書を単に読むことではなく、身につけた知識を実際の現場で使い経験していくこと。『知識の応用と経験こそ』が学習であると」述べています。一時、大学に通いながら、専門学校で資格を取得する「ダブルスクール」なることばが流行りましたが、まさに先生は時代の先駆けとなる教育を実践していたことになります。
まさに、教育とは「人と人が作り出す財産」だと痛感しました。先生は幼稚園から大学まで(小学校は設立できず)の教育を通じて「自分の頭で考え、判断し行動できる若者」を育てようと思ったのでしょう。そしてそんな「京北」という教育現場で過ごせたことに感謝しています。
さて、教育現場から退いた私が校友会長として何ができるかですが、だんだん井上円了先生という人が面白くなってきました。そこでもう少し先生について学んでみようという気持ちが強くなってきました。幸い、前校友会長の井上 進顧問(学祖の曾孫)もいらっしゃるので好都合です。何かまとまりましたらこの紙面を借りて報告をさせていただきます。また懸案だった「校友会の活性化」についても先程述べたように、新たに「若い卒業生」にお願いして30名を超える常任協議員会となりました。これからは彼らを中心として、更に若いOBやOGを巻き込んで新しい校友会活動を進めて参りたいと思っております。しかし校友会の活性化は校友一人一人の協力なくしては実現できません。できますれば校友会のホームページをご覧いただき、ご意見や情報提供などどしどしお寄せいただければと思っております。そして「新生京北」をみんなで盛り上げていきましょう!
令和4年9月
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